インターネットの普及や男女平等の価値観が根付いたことを背景に、恋愛や性の多様化が急速に進み始めました。
これまでタブーとされていた発言や、指向や趣向が発信しやすくなり、仲間を見つけやすい環境になったことは大きな要因でしょう。
同性同士の恋愛、結婚以外の歩み方など、数十年前とは比べものにならないほど多くの言葉や関係の形が許容され始めました。
しかし、一般的な恋愛や指向を持っている人にとって、理解できない事柄も数多くあります。
一見「浮気」と勘違いしてしまう「ポリアモリー」という指向・関係性も、その一つです。
理解されないことによって、必要以上に距離を置いたり、相手の人格まで否定してしまう人も残念ながら存在しています。
この記事では、こういった多様化した男女やパートナーとの関係性でも、理解しづらいポリアモリーについて徹底解説していきます。
そもそもポリアモリーって何?
そもそも、ポリアモリーという言葉を聞いたことがない人もいるでしょう。
ポリアモリーという言葉は知っていても、実際にどういった人たちなのか、どういった関係性を持っている人たちなのか詳しくわからないという人もいるでしょう。
また、他の恋愛、性的指向と混同してしまっている人も少なくありません。
まずは、ポリアモリーという概念、関係性についてご紹介していきます。
複数の人と恋愛関係を結ぶスタイル
恋愛は、一対一で行うものだと思っている人が大半でしょう。
他国では、一夫多妻制などを取り入れ、複数の異性で関係を持つことが良しとされる場合もあります。
しかし日本では、恋愛は一対一で行うことが当然で、複数の異性と交際関係を結ぶことに対して「不誠実」「浮気」「不道徳」といったネガティブな印象が付きまといます。
ポリアモリーとは、複数の相手と誠実に交際していくという概念、恋愛スタイルです。
1990年代にアメリカで使われるようになった、比較的新しい言葉と言えます。
ポリアモリーは、複数の異性と交際するため、一対一を当たり前と考える日本人にとって「浮気の肯定」「不誠実を隠そうとしているだけ」といったマイナスな印象を持たれてしまいます。
同性愛や事実婚などと同じように、これまでと異なる価値観には批判がつきものなのです。
不倫や浮気と何が違う?
ポリアモリーとは、複数の異性と誠実に交際する概念、恋愛スタイルです。
これだけ聞くと、「不倫や浮気と何が違うの?」と疑問に思う人も少なくないでしょう。
ここからは、ポリアモリーが誤解されやすい不倫や浮気との違いや、ポリアモリーだけが持つ特徴について解説していきます。
ポリアモリーという概念、恋愛スタイルを批判的に捉える前に、正しい情報を知ってみましょう。
関係者全員が合意している
浮気や不倫をする際、交際相手、配偶者にその存在や関係性を説明しませんよね。
「自分は浮気しています、不倫しています」などと、本人に直接公言する人はほとんどいないでしょう。
ポリアモリーという概念の最大の特徴は、複数の相手に好意を持つことが悪いと認識しないことです。
多くの人々が存在し、それぞれに違った魅力を持った人々と出会うことができる現代で、特定の人物1人に絞るという概念が、そもそも難しく、不可能なことだと捉えています。
それぞれに違った魅力を持つ人物が存在し、その人々に好意を持つことは当然だと考えているのです。
そのため、本人をはじめ、それぞれのパートナーに関係性を説明し、合意の上でポリアモリーという関係性が成立しています。
配偶者はもちろん、恋人も了承して初めてポリアモリーが成立するのです。
複数全員と誠実な恋愛をしている
前項でご説明したように、ポリアモリーは関係者全員が認識し、合意していることが前提条件でしょう。
一般的な恋愛をしている人々の中には「浮気を認めるなんて信じられない」「本当は嫌だけど我慢しているだけ」といった印象を持つ人もいるでしょう。
これまでと全く違った価値観を、簡単に受け入れることは難しいでしょう。
ポリアモリーという関係性を築きたい人がいたとしても、全員がその関係を受け入れられるわけではありません。
拒絶する人もいますし、相手に不信感を持つ人もいるのです。
しかし、ポリアモリーという関係性を受け入れた人々が必ずしも不幸になっているというわけではありません。
複数人と交際関係を持つポリアモリーですが、その全ての人々と誠実な恋愛をするのが特徴です。
誰かを特別扱いすることもなく、平等に全ての人々を愛するのです。
全員と同じように喧嘩もしますし、性関係も持ちます。
複数人との恋愛関係を隠さずに話す
ポリアモリーという関係性を受け入れた後、必ずしも不幸にならないのは、お互いに素直に接し、誠実に向き合っているからです。
他のパートナーとどのように過ごしているのか、他のパートナーにも包み隠さず話しますし、パートナー全員で集まって楽しむ場合もあるのです。
お互いの関係を包み隠さず話しておくことで、信頼関係を保っていられますし、不信感や不平不満も持ちにくいのです。
ポリアモリーの恋愛の価値観
ポリアモリーの関係性や特徴について説明してきましたが、それでも「理解できない」「受け入れられない」といった人々もいるでしょう。
「誠実」という言葉は一対一で向き合ってこそという価値観を持った人も存在するでしょうし、別のパートナーとの情事を聞くことが「耐えられない」と感じる人もいるでしょう。
ポリアモリーという関係性は、これまで一般的とされていた恋愛や結婚とは、全く異なっています。
そのため、どれだけ特徴を聞いても、それを良しとできない人がいても当然なのです。
自分にはできないと感じたとしても、それは悪いことではありません。
ですが、こういった価値観の人が確かに存在しているということも事実なのです。
ここからは、ポリアモリーについて、さらに深掘りしていきます。
どういった恋愛の価値観を持ち、ポリアモリーという選択をするのか、知ってみましょう。
自分たちとの違いや、自分たちと同じような部分を見つけ、ポリアモリーという存在をより具体的に身近に感じてみましょう。
全員を平等に愛する
ポリアモリーという関係性を築く人々は、決して不誠実さを隠そうとしていたり、自身の浮気を肯定しようとしているわけではありません。
それぞれの魅力や違いを理解し、一人に絞ることがナンセンスで不可能なことだと認識しています。
それぞれに違った魅力が必ず存在し、その一人一人を大切にしたいという価値観を持っているのです。
そのため、ポリアモリーという関係性を築くすべての人を平等に愛します。
結婚しているのに、交際しているのに、相手に魅力を感じられない、恋愛感情が持てないのに継続しているといった関係性の方が、ポリアモリーには理解できないことなのです。
ポリアモリーという関係性を尊重する人々は、人の個性や魅力を大切に感じ、尊いものだと尊重しています。
そういった気持ちから、複数の人物に魅力を感じる自分を恥じることもありませんし、自分を受け入れてくれた相手を大切に愛し続けることもできるのです。
「特別」を作らない
浮気や不倫との違いにも関係してきますが、ポリアモリーという関係性を選択する人々は、既存のパートナーから逃げるために、別の相手を見つけているわけではありません。
既存のパートナーにも魅力を感じていますし、別のパートナーには別の魅力を感じています。
どちらも大切な存在であり、そこには優劣がないのです。
外見が魅力的な相手と、積極的に性行為ばかり行うわけではありませんし、家庭的な相手の自宅に居続けることもしません。
ポリアモリーという関係の中にいるすべての人を平等に扱い、特別な存在を作らないのです。
こういった部分から、配偶者や恋人から不満が出づらいのです。
不倫や浮気では、気に入らない相手を蔑ろにしたり、不倫相手や浮気相手の場所に居続けることもあるでしょう。
また、面倒になった時、不倫相手・浮気相手を簡単に切り捨ててしまう事もあるでしょう。
しかし、ポリアモリーには特別な存在がいません。
全てが大切で、どちらか一方に偏ることがないのです。
恋人を所有物だと思わない
ポリアモリーの特徴的な部分は、恋人を自分の所有物だと思わないところです。
恋人だから、配偶者だから自分の思い通りに動かしたいという価値観も持っていませんし、自分を尊重することと同じように、恋人を尊重する価値観を持っているのです。
男だから、収入を多くいれなければならない、女性だから家事全般をやって当然といった考えも持っていません。
お互いに対等であり、恋人全てが対等な関係性だと思っているのです。
自分だけのものではない
「一般的な恋愛でも恋人を所有物だと思っていない」「一対一の恋愛関係でもお互いに尊重している」と反論したくなる人もいるでしょう。
当然、そういった人たちもいるでしょう。
しかし、慣れてしまっているだけで、恋人と自分が対等な立場ではない場合も多々あるのです。
共働きなのに、家事は女性負担が多い、育児中なのに男性は飲み会に参加できて、女性はできないなど、不思議な習慣を見聞きしたことはありませんか?
旦那の実家には帰るのに、嫁の実家には年に1回程度しか帰らない、またはその逆もしかりです。
気付かないうちに、人々はパートナーを自分の所有物だと勘違いし、自分が思ったように動かそうとしています。
そして、それらが当たり前だと感じ、パートナーは従わざるを得ない状況も多々あるのです。
しかし、ポリアモリーは互いを尊重し続けます。
お互いの欲求や好奇心など、制限することなく一緒に過ごすことができるのです。
また、ポリアモリーの恋人は、別の恋人を作ることもできます。
ポリアモリーは所有せず、固執せず、人を尊重する価値観を持っています。
パートナーが自分以外に魅力的な人物を見つけても、それらは当然の事として受け入れ、応援する場合もあるのです。
恋人が二人以上でも大丈夫な理由とは?
ポリアモリーという関係性をすべての人が理解し、受け入れられるわけではありません。
しかし、皆さんが考えているほど、大きなトラブルや拒絶が見られないのも特徴の一つと言えるでしょう。
一対一の恋愛や結婚生活が当たり前だと考える人にとって、恋人が2人以上でも大丈夫な理由が全く分からないといった人の為に、ここからはポリアモリーという関係性を受け入れられる理由や、恋人が二人以上いても大丈夫な理由についてご紹介していきます。
ポリアモリー同士で付き合うことが多い
ポリアモリーという関係性は、一般的な恋愛をしている人々に受け入れがたい部分があります。
そのため、ポリアモリー同士で付き合うことが多くなります。
ポリアモリー同士なら、お互いの価値観を尊重することが容易にできますし、同じ価値観を持っているため、嫉妬や争いを生みにくくなるのです。
中には、一般的な恋愛をしてきた人が、ポリアモリーと関係を持つ中で、受け入れ、自身もポリアモリーになったりする場合もあります。
理解がある人とだけ付き合う
ポリアモリーという関係性の絶対条件として、関係者すべてがポリアモリーという関係性を理解し、合意している必要があります。
つまり、理解がある人とだけ付き合うのです。
ポリアモリーという関係性を強要することもありませんし、相手が認めていないにも関わらず、浮気や不倫を「ポリアモリー」で押し通すこともないのです。
ポリアモリーの価値観の中には、相手の個性や思いを尊重し、誰に対しても配慮を持って接するといったものがあります。
こういった価値観を持っているため、理解のない人に無理やり押し付けることもありませんし、正当化するためにポリアモリーを利用することもないのです。
ポリアモリーを理解し、合意して関係を持っているため、相手に恋人が複数人いても、自分に恋人が複数人いても、トラブルになることがないのです。
付き合う前にポリアモリーについて話す
ポリアモリーという関係性を持ちたい人々は、ポリアモリーという関係性を築く前に、相手に必ず打ち明けます。
自身がポリアモリーという関係性を望んでいる事、ポリアモリーとはどういった関係性なのか、交際関係に発展する前に相手に打ち明けるのが鉄則のようになっています。
その理由は、ポリアモリーという関係性には、お互いの合意が必要であり、相手を思いやっているからです。
そのため、一般的な浮気や不倫とは全く異なり、隠れて異性や他の人物と関係を築くこともありませんし、後出しのように「ポリアモリーだった」と打ち明けることもないのです。
もし、パートナーが浮気した際、「自分はポリアモリーだから」といった人物がいたとしたら、それらは自身の行為を正当化したいがために、ポリアモリーという関係性を利用している人物だと考えていいと思います。
ポリアモリーは自分も相手も同等に尊重するのです。
嫉妬を見せない・嫉妬しない
ポリアモリーという関係性を了承し、恋人が複数人いても平気なのは、嫉妬をしないからです。
自分の魅力を最大限に理解してくれる人物がいて、大切に扱われるため、他の恋人に嫉妬する必要がありません。
もし、自分よりも大切に扱われる別の恋人がいたとしたら、その人物に嫉妬心を持ちますし、恋人に対して不満も持ってしまうでしょう。
しかし、自身を尊重してくれますし、平等に扱ってくれるため嫉妬心はほとんど持たなくなります。
人間ですから、完全に嫉妬心を消し去ることはできません。
そういった場合は、嫉妬心を恋人に見せるのではなく、自分の気持ちと向き合い、ポリアモリーという関係性を見直したり、自身の言動を振り返るなどして気持ちを静めます。
恋人に嫉妬心をぶつけることもないため、円満な交際関係を築くことができるのです。
会えない時間には干渉しない・無関心
嫉妬心を持ちにくい要因は、会えない時間に干渉しないからです。
一緒に過ごす時は、目一杯楽しみ、それ以外の時間は自分のために使用します。
趣味を楽しんだり、友達との時間に使ったり、他の恋人と過ごしたりするため、お互いに会えない時間に干渉しません。
「今何しているだろう」「今浮気しているのではないか」といった感情も持たないため、嫉妬しにくい環境なのです。
自分も大切にでき、自由な時間も持て、恋人と良好な関係が続けられるのですから、ポリアモリーという関係性は嫉妬心や孤独感を感じることが少ないのです。
自分が見ている部分を全て信じる
ポリアモリーという関係性に必要不可欠なのは、相手を信じることです。
「自分は大切にされていないかもしれない」「相手は自分を好きではないかもしれない」といった相手を信じられないことからくる不安感を持った状態では、ポリアモリーという関係性を理解することもできませんし、継続することもできません。
相手が見せてくれている部分を信じることで、ポリアモリーという関係性は安定して築いていくことができるのです。
つまり、恋人が複数人いても平気なのは、自分が大切にされている、愛してもらえていると自信を持っているからで、それは相手を信じているから感じられるのです。
恋人が複数人いる状態が「信じられない」「受け入れられない」という人々は、相手の愛を信じられていない、自分が大切にされていないと感じるからでしょう。
しかし、自分が大切にされ、尊重されている、愛されていると心から信じることができれば、恋人が複数人いても、たとえ一緒に過ごしていなくても、安定した関係が築けるのではないでしょうか。
恋人に順位をつけない
複数人の恋人がいて、その人物の中で順位が決まっていたとしたら、嫉妬心も芽生えますし、上位者を恨んだり、憎んだりすることもあるでしょう。
誰よりも愛されたいと感じ、パートナーの愛情を確かめるような言動をしてみたり、他のパートナーへの批判を口にしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、ポリアモリーという関係性には順位が存在しません。
それぞれに違った魅力があり、そのどれもが等しく大切なものなのです。
そのため、別の恋人と自分を比べることもできませんし、順位をつけることもできないのです。
順位がないことから、自分を卑下することもありませんし、誰かと比べたり、競う必要もありません。
自分は自分のままで愛され、大切にされるため、他の恋人がいても気にならないのです。
恋人に対し大きな信頼をしている
ポリアモリーという関係性を理解し、複数の恋人の存在を受け入れられるのは、恋人に対しての大きな信頼感が持てるからです。
つまり、ポリアモリーという関係性を築く人物は、誠実に恋人に向き合い、相手を尊重し、言動が伴っているということです。
不誠実な言動が見られたり、ポリアモリーという関係性を私利私欲に利用したいと考えているだけなら、大きな信頼感を得ることはできませんし、複数人の恋人の存在を理解することもバランスを取ることも不可能でしょう。
どのような恋愛関係も、恋人への信頼関係が持てなければ破綻してしまいます。
ポリアモリーという、一般的な恋愛を好む人にとって理解しづらい関係性だったとしても、恋人との信頼関係が大切という部分は変わりませんし、それらがしっかりと構築できているからこそ、ポリアモリーという関係性が継続できるのです。
ポリアモリーであることのメリット・デメリット
ポリアモリーには、深い信頼関係があり、嫉妬心や他者との比較で落ち込む心配もありません。
個性を尊重し、趣味を圧迫することもありませんし、多くのメリットが存在しています。
しかし、当然メリットがあればデメリットも存在します。
ポリアモリーを理解するうえで、メリットを知ることはもちろん、デメリットについても知っておかなければなりません。
ここからは、ポリアモリーであることのメリット、デメリットを包み隠さずご紹介していきます。
メリット
「複数人恋人がいる関係にメリットがあるのか」と疑問に感じる人も多いかもしれません。
浮気・不倫とポリアモリーを混同してしまっている人にとって、ポリアモリーという関係性のメリットがわからないのは当然でしょう。
ここからは、ポリアモリーという関係性が持つメリットについてご紹介していきます。
幸せを共有できる
ポリアモリーという関係性では、お互いの恋人との過ごし方を共有することも少なくありません。
「こんな楽しいことをした」「こんな場所に行った」など伝えることもあるのです。
こういった楽しい行為を共有することで、幸せな感情を共有することもできます。
また、恋人がどのようなことが好きなのか知る機会にもなりますし、別の楽しみを見つけることにも役立てられます。
嫉妬する感情が芽生えにくいポリアモリーという関係性では、全員の幸せを共有できることがメリットといえるでしょう。
束縛がなく自由でいられる
ポリアモリーでは、相手を束縛することがありません。
お互いの好奇心や趣味、友人関係を制限する必要がないため、お互いに自由に過ごすことができます。
新しい恋人を見つけるために合コンに参加することもできますし、新しい趣味サークルに参加したり、金銭をどのように使ってもいいなど、それぞれに自由を謳歌することが可能な関係なのです。
もちろん、ポリアモリー同士でルールなどは異なってくるため、一概には断言できませんが、相手の個性を尊重するという価値観を持っているポリアモリーでは、相手を束縛することが少なく、他の関係性よりも驚くほど自由なのが特徴でメリットといえるでしょう。
本当の自分でいられる
ポリアモリーでは、束縛がありません。
恋人への嫉妬心もなくストレスフリーで過ごせるため、本来の自分で過ごすことができるのです。
「女性だからこうでなくてはいけない」「男性だから男性らしく」といった要求もないため、自分が過ごしたいように過ごすことができるのです。
ありのままの自分を受け入れてくれる存在は大変貴重ですね。
嫉妬に苦しまない
ポリアモリーでは、嫉妬に苦しまなくて済むのもメリットです。
恋人の浮気を心配する必要もありませんし、自分への愛情を疑う必要もありません。
お互いにお互いを最大限に尊重し、受け入れる関係性がポリアモリーなのです。
嫉妬に苦しみ、SNSにかじりついたり、不安で眠れなくなることもないのです。
自分が楽しいと感じることを積極的に行え、恋人と良好な関係が築ける、さらに自分が魅力的だと感じた人物と恋人関係にもなれるのですから、ポリアモリーという関係性を理解し受け入れることが、どれほど魅力的なことかわかるのではないでしょうか。
デメリット
メリットの次は、ポリアモリーという関係性のデメリットについて解説していきます。
ポリアモリーという関係性を受け入れるにしても、拒絶するにしても、メリットデメリットを正しく理解しておく必要があるでしょう。
また、デメリットを知っておくことで、ポリアモリーという関係性を提案された際、事前に対策を話し合う事もできますし、拒絶する理由を明確にしておくことで、相手に流される心配もなくなります。
他人から理解されにくい
皆さんが感じているように、ポリアモリーという関係性は他人から理解されにくいことがあります。
日本では、一夫多妻制の文化もありませんし、法律で不倫が禁止されているため、複数の人物と交際する関係性が理解できないのも当然です。
複数人=不誠実という価値観も根強く、ポリアモリーをはじめからすんなり受け入れられる人はそれほど多くはないでしょう。
また、仮にお互いが理解できたとしても、友人や家族が理解してくれるとは限りません。
周囲に祝福されにくい関係性に悩む人もいるでしょう。
こういった部分がポリアモリーのデメリットと言えます。
可能なら、自身の大切な人物に祝福されたいと思うでしょうし、理解してほしいと思うことも当然です。
既にポリアモリーという関係性を築いている人々も、こうした悩みを抱えている場合があります。
子供ができたときの親権
ポリアモリーは、まだまだ日本では定着していません。
そのため、それらに見合った法律や、整備などは全くの手つかず状態に近いでしょう。
ポリアモリーのデメリットの一つは、子供ができた時の親権です。
本来は一対一の関係性で、親権問題は離婚時などだけです。
しかし、ポリアモリーは、複数の人物と性行為を行うため、まず父親を特定することが難しくなります。
次に、婚姻関係を持っていなかった場合の親権も難しくなります。
ポリアモリーの中には、子供をもうけているカップルも存在します。
お互いに協力しながら子育てを行い、それぞれのカップルに合った親権を選択しています。
親の価値観としてポリアモリーがあったとしても、子供にはそれらの価値観を押し付けられないため、子供が混乱するリスクも持っているでしょう。
子供の問題は、ポリアモリーにとっても重要な問題になり得るのです。
結婚後のトラブル
ポリアモリーでは、1組だけ結婚している場合もあります。
結婚後に、恋人を作るポリアモリーも存在しています。
もちろん、お互い合意の上でです。
しかし、法律的には、婚姻関係があるにもかかわらず、他の異性と性関係を持つと罰せられてしまいますし、突然配偶者がポリアモリーを受け入れられなくなる場合もあるのです。
結婚後のポリアモリーでは、法律との兼ね合いでトラブルが発生する場合もあり、これらはデメリットといえるでしょう。
はじめはポリアモリーへの理解があっても、価値観は変わるものです。
ポリアモリーのメンバーのいずれかが、現状に不満を持ってしまうと、トラブルが発生してしまいやすいのです。
経済的負担が多い
ポリアモリーは、複数の人物と関係を持ちます。
そのため、一般的な一対一の恋愛よりも経済的負担が多くなる傾向があります。
お互いに家を構える場合もありますし、一つの大きな家で生活する場合もあり多種多様なのですが、どちらにしても、一般的な家庭よりも費用がかさむ傾向があります。
恋人が増えたり、家族が増えたりすると、さらに費用はかさんでいくでしょう。
デート代や居住費、生活費など、ポリアモリーには負担が多く、お互いに自立していることが望ましいといえます。
新しい愛のかたちがあることを知ろう
ポリアモリーとは、比較的新しい価値観と言えます。
しかし、表に出てきたのはここ数年というだけであり、何年も前から、こういった価値観を持った人々は存在していたと考えられます。
既存の定着した価値観がある場合、こういった価値観は受け入れられにくい傾向があり、当人たちは親しい友人や家族にも打ち明けられないこともあります。
愛の形は様々で、それらを誰かが否定することはできないのです。
新しい愛の形を安易に否定しないためにも、まずは知る努力を始めてみましょう。
ポリアモリーの人々が生きやすい世の中にしよう
ポリアモリーに限らず、LGBTやその他少数派の価値観を持った人は、社会に受け入れられず、人に受け入れられず、生きにくさを感じてしまいます。
既存の文化や価値観は、確かに尊重されるべきですが、同じように小さな声も尊重するべきものなのです。
また、理解して否定することと、理解もせず否定することは大きく異なります。
自分の中にない価値観と出会っても、すぐに否定するのではなく、まずは知ることから始めてみましょう。
既存の価値観との類似点や相違点を理解することによって、自分の視野を広げることもできますし、相手を執拗に攻撃するようなこともなくなります。