兄弟がいなかったことによって、我慢をする機会が圧倒的に少なかったのが要因です。
兄弟がいれば、分け与えることや、一緒に遊ぶことが日常的です。
自分の気持ちを我慢して、姉や兄、妹や弟の意思を優先させることもあります。
また、両親の注目を一身に集めることも我慢しなければなりません。
しかし、一人っ子にはそういった機会がありません。
一人で遊ぶことも、おもちゃやお菓子を独占することも当たり前で、我慢をする機会がありませんでした。
両親からも、常に注目されている存在なので、そういった面の我慢の必要がありません。
そういった習慣が、大人になっても影響し、我慢が少々苦手なのです。
「長男や長女も我慢が苦手なのでは」と感じる人がいるかもしれません。
兄弟の中で1番年長であれば、本人のやりたいようにできたのでは?と感じるのでしょう。
しかし、長男や長女が自由奔放で我慢が苦手というのは、あまり聞かない話です。
長男や長女は、年長だからといって自分のやりたいようにばかりできたわけではありません。
弟や妹に配慮しつつ、両親の期待や思いに応えようとし続けるので、我慢強く、そして忍耐力が高い人が多いでしょう。
3:マイペース
一人っ子に対して「マイペース」というイメージが聞かれましたが、その通りで、一人っ子は実際に非常にマイペースです。
兄弟がいる人たちとは、全く違った価値観や習慣を持っているのが一人っ子の特徴です。
親からゆるぎない愛情を一身に受けてきた一人っ子は、「マイペース」であることも、それが少々自己中心的であっても、許される環境にいたのです。
つまり、誰かに否定されるわけでもなくペースを乱されるわけでもなく、自分の性格や特徴が肯定され続けたのです。
その結果、非常にマイペースで、それが批判されるとも思っていません。
「自己中心的」「自分勝手すぎる」と言われても、相手が何に対して怒っているのか、一人っ子にはさっぱりわからないでしょう。
親の愛情を一身に受けた一人っ子は、非常に素直に育つ傾向があります。
「素直」と聞くと、印象はいいかもしれませんが、良くも悪くも非常に素直な人間に育ちます。
自分の欲求にも素直で、やりたくないことへの反応も、非常に素直なのです。
そういった素直さも「マイペース」と言われる所以でしょう。
4:おおらか
一人っ子は、素直で非常におおらかな性格に育ちます。
兄弟がいないということは、ライバルがいない状態ですから、競う必要がありませんでした。
つまり、争う習慣がないのです。
自分のペースも乱されることがなく、あまりストレスを感じた生活を送ってきていません。
そのため、兄弟がいる人よりもおおらかな人が多いでしょう。
また、一人っ子の両親と、兄弟がいる人の両親にも異なる面があります。
それは、態度です。
一人っ子の両親は、一人の子供を中心に面倒を見るのですから、余裕があると言えます。
反対に、兄弟がいる両親は、複数の子供を中心に生活をしていきます。
そのため、余裕がなくなる時もあり、その態度が子供に影響を与えるとも言われています。
兄弟の手前、注意しなければならないこともあったでしょう。
一人ならまだしも、複数人の子供と生活を続けるには、ルールを厳しくする必要もあるのです。
しかし、一人っ子の両親は一人を中心に考えればいいのですから「これくらい大丈夫か」と考え、許容範囲が広く、結果おおらかに接することができます。
そのため一人っ子は両親の影響も受け、おおらかに育つのです。
5:こだわりが強い
一人っ子は、幼いころから一人で遊んできました。
自分が興味を持ったことを、とことん追求できる環境にいたのです。
そのため、こだわりが強い人が多くなります。
こだわるポイントは、さまざまです。
物や趣味に限らず、時間の使い方やものの見方など、個人個人に独特のこだわりを持っていることが多くあります。
こういったこだわりの強さも、幼少期に否定される機会が少なく、我慢する機会もなかったので、こだわりを突き通せる環境にいたことが関係しています。
兄弟がいる人でもこだわりを強く持つ人もいるでしょうが、こだわってばかりいられないということも知っています。
兄弟がいる人たちは、周囲とのバランスを見ながら、こだわりを捨てる機会もあったからです。
そういった機会がなかった一人っ子たちは、強いこだわりを持ち続けたまま、大人になっていくでしょう。
そのこだわりを理解し、受け入れることで、関係が進展させやすいと言えます。