忙しい社会人にとって、短時間で効率良く仕事をこなして成果を出す能力は会社に重宝されるだけではなく、自分の余暇の時間を増やして趣味の時間を捻出するためにも非常に重要な能力です。
効率良く仕事ができない人は余暇の時間が少なくなってしまうだけではなく、残業や休日出勤によって他の人よりも労働時間が長くなってしまい、健康に影響したりストレスなどの精神的な負担も多くなりがちです。
では、効率良く仕事をこなせない生産性が低い人はどのような特徴を持っていて、生産性が低いことによるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
また、生産性が低いと言われている人でも仕事を早くこなせるようになるために心がけたいことにはどのようなものがあるのでしょうか。
生産性の低さに悩んでいる人は参考にしてみてください。
生産性とは
生産性とは、そもそも経済学において生産活動に対する寄与度や資源から付加価値を生み出す際の付加価値の程度のことを意味する言葉です。
寄与度が高くて高い付加価値を生み出せる人ほど生産性が高いと言われています。
簡単に説明すると、会社の仕事を効率良く短時間でたくさんこなせて、さらに仕事の完成度や精度が高く、後からのミスや修正が少ない人のことを生産性が高い人だと表現することがあります。
こう聞くと、今までピンと来ていなかった人でも周りの人の中に「あの人のような人だ」というイメージが浮かびやすくなるのではないでしょうか。
生産性の種類
一般的には生産性というと上で例として挙げたように、仕事の効率が良い人を意味する時に使うことが多いですが、既に説明したように生産性はそもそも経済学で用いられる言葉です。
そのため実際には例として示した労働生産性の他に投入した資本に対してどれだけの成果を生み出したのかを示す資本生産性や、資本や労働の生産性を除いて考える全属性生産性といった指標もあります。
ただしいずれにせよ、日常会話において「生産性が高い」という言葉を使う際には、経済学上の厳密な意味で使われることはほとんどありません。
「あの人は生産性が高い」であれば「あの人は仕事が早い」や「あの機械は生産性が高い」であれば「あの機械は便利に使える」などの意味で認識しておくと良いでしょう。
日本の現状
では、日本において生産性はどのように認識されているのでしょうか。
実は日本は効率を重視する社会構造でありながら、仕事などにおいて生産性が高い人はそれほどいないと言われています。
しかし、能力が追い付いている人がいない現状でも生産性の高さだけを望んでしまうため、過重労働やパワハラが生まれる原因となってしまっているとも言われています。
一体どうして日本がそういう状況に陥ってしまっているのかに関しては「仕事の生産性が低くなる背景」でも解説していきますので、ぜひそちらもご覧ください。
生産性が低い人の特徴9個
まずはどのような人が生産性が低いと言われてしまいがちなのか、生産性が低い人の特徴を9個紹介していきます。
生産性が低いと仕事の効率も悪くなってしまい、冒頭で紹介したように残業や休日出勤が増えて自分の生活が圧迫されてしまったり、余暇が取れなくなってしまいストレスが溜まって身体を壊してしまう恐れもあります。
そのため生産性が低い人は、改善して自分の生産性を高めた方がいいでしょう。
そのためにも自分は生産性が低いのかどうかセルフチェックしてみましょう。
1:労働時間が長い
一概には言えませんが、周りの同僚と同じくらいの仕事量なのにも関わらず、一人だけ残業が多いのは生産性が低い人だと思われてしまう傾向があります。
もちろん労働時間には休憩時間も含まれているので、もし煙草やコーヒーの休憩が多くて残業が増えてしまっている場合は、実質的な労働時間は同じでも定時に帰る人の方が生産性は高いと認識されます。
たとえば定時に来て所定の休憩時間をとり定時に帰る人と比較して、定時に来るものの煙草やコーヒーで二時間離席して二時間残業する人であれば、前者の方が生産性が高いと認識されるのは自然なことであると分かるでしょう。
2:睡眠時間が短い
もともとショートスリーパーで寝る必要がないという人は除いて、たっぷり寝たいのに睡眠時間を確保することができずに寝不足になっている人も生産性が低くなっている可能性があります。
睡眠時間が短い原因が慢性的な残業が原因の場合、そもそもその残業が発生している理由は生産性の低さにあると考えることもできるでしょう。
もちろん繁忙期などで一時的にどうしても残業が避けられずに睡眠時間が確保できないというケースもありますが、長期間解消されないのであれば生産性の低さが原因であることも考えて、場合によっては改善する必要があります。
3:メールチェックが習慣
メールチェックはサボってしまうとメールボックスがいっぱいになってしまうだけではなく、重要なアナウンスや取引先からの依頼を見落としてしまう恐れもあるため、毎日必ずチェックしなければなりません。
しかし、だからといって毎日何度も複数回チェックする必要はないでしょう。
もし習慣として一日の中で頻繁にメールチェックをしているのであれば、生産性を自分で下げてしまっているかもしれません。
4:マルチタスク
一度に複数のことをこなすマルチタスクは頭の回転が速い人じゃないとなかなか難しいと思います。
しかしマルチタスクが必ずしも生産性を高めるわけではなく、もしかしたらマルチタスクによって生産性を下げてしまっているかもしれません。
少なくとも、マルチタスクを行うと作業を並行して進めることはできても、一つの作業に要する日程は長くなってしまいます。
場合によっては、マルチタスクは避けた方が望ましいケースもあるでしょう。
5:ゴールが曖昧
仕事をこなす上では、ゴールとなる大きな目標を一つ設定して、そこから逆算してどのように行動していくべきかといった細かな目標を立てていくのが最も効率的だと言われています。
そのためゴールが曖昧なままに動き出してしまうと、自分でも効率の悪いことを行ってしまうでしょう。
必然的に無駄な作業も増えてしまうため、ゴール設定が曖昧なままで進むのは生産性を高める上でおすすめできません。
6:優先順位が曖昧
マルチタスクによって生産性を下げる可能性があるとはいえ、だからといって常に一つの仕事に対してだけ集中するというのは難しいかもしれません。
社会人であれば基本的に一つの案件と並行して複数の案件にも気を配らなければなりません。
そういった時、優先順位が曖昧だとどのように動くべきかの指針も自分で立てられず、仕事量がどんどん増えていってしまう恐れがあります。
優先順位を付けるのが苦手な人ほど、マルチタスクで抱え込む量も多くなってしまい、生産性がどんどん下がっていくということもあります。
7:面倒なことを後回しにする
誰でも複雑な仕事や気難しい上司とコンタクトを取らないといけないような面倒な仕事をするのは気が進まないと思います。
そうした面倒な仕事はついつい後回しにしてしまうのも無理はありません。
しかし面倒な仕事は基本的に他の仕事に比べて時間がかかりますので、後回しにすればするほどあとからのタスクが多くなってしまいます。
そうなるとキャパオーバーになってしまい、最初は順調だったのに急に生産性が下がってしまうこともあります。