接客業で働いている人にとって、立ち仕事が疲れたり土日が祝日が休めなかったりするのも悩みになりがちです。
しかし、実はそれ以上に悩みの種になるのがクレーマーです。
どんなに天職だと思って働いていて職場の人間関係にも恵まれていても、一人のクレーマーに目を付けられただけで異動を希望したり仕事を辞めたくなってしまったりすることもあるほど、接客業で働く人にとってクレーマーは辛い存在です。
では、実際にどのような人がクレーマーだと言われてしまうのでしょうか。
また、厄介なクレーマーに対してはどのように対応していけば良いのでしょうか。
クレーマーの対応に困っている人はもちろん、自分がクレーマーだと思われないように事前にクレーマーの特徴を知っておきたいという人も参考にしてみてください。
クレーマーの特徴11個
まずはクレーマーの特徴を11個ずつ紹介していきます。
今から紹介する特徴に当てはまっている数が多ければ多いほど、周りの人やお店の人からクレーマーだと思われてしまう可能性は高くなるでしょう。
また、実際に困ったお客さんに悩んでいる人も、相手がクレーマーだと分かれば対応策も考えやすくなります。
お客さん・店員さんの双方の視点でクレーマーの特徴を把握していきましょう。
1:自己中心的
クレーマーは基本的に自己中心的な傾向があります。
「自分が良ければそれで良い」、「自分だけが得をすれば周りの人は損をしても構わない」、「自分が優遇されれば店員さんを困らせても心は痛まない」と自分のことしか考えていない人がクレーマーになってしまうのです。
普段からワガママだと言われていたり、誰かを蹴落としてでも自分が得をしたいと考えてしまいがちな人はクレーマーになってしまう可能性が非常に高いといえるでしょう。
2:「お客様は神様」思考
「お客様は神様です」という言葉がありますが、これは店員さんが「多くの店の中から自分たちの店に来てくれたから、感謝して働こう」と考えるためのフレーズです。
しかしクレーマーの場合は、このフレーズを勘違いして「私は神様だから、店員は私が気持ち良く買い物できるように精一杯のサービスをしなさい」と考えてしまいます。
「お客様は神様」というフレーズを間違って理解し、自分はサービスを受けて当然だと考える人もクレーマーになってしまいがちです。
3:被害者意識が強い
たとえば自分の声が小さくて店員さんが反応してくれなかった時、普通の人であれば「周りがうるさくて聞こえなかったかもしれない」と考えて少し大きな声で呼び直します。
しかし被害者意識が強いと「仕事が忙しいふりをしてサボりたいから、わざと聞こえないふりをしたに違いない」というように考えてしまい、突然激怒してクレームを入れてしまいかねません。
このように被害者意識が強い人も、クレーマーになってしまう可能性は非常に高いのです。
4:自己顕示欲が高い
クレーマーは自分が大きな声でクレームを入れている時に周りのお客さんから注目されたり、コールセンターに電話をしてクレームを入れることで相手に謝らせることが気持ち良いと考えることがあります。
普段から自己顕示欲が強く、誰かが自分の言うことを聞くことに快感を覚えてしまったり、自分の能力を発揮したいと考えているような人もクレーマーになってしまう恐れがあるでしょう。
自分の自己顕示欲を店員さんにぶつけないように注意しなければなりません。
5:支配欲が強い
自己顕示欲が強い人だけではなく、支配欲が強い人も同様にクレーマーにならないように注意しなければなりません。
クレーマーの中には「自分はこの人よりも強い」という状態を維持しようとしてクレームを繰り返す人がいます。
そのため、一部のクレーマーは店員さんに落ち度がなくても謝らせたくてクレームを入れる人もいます。
支配欲が強いのもクレーマーの特徴の一つなのです。
6:空気が読めない
店員さんが少しミスをしてしまっても、普通の人は「人間なんだから誰でもミスをする可能性はあるし、すぐに謝罪してくれたんだからこんなことでクレームを入れる必要はない」と考えるでしょう。
しかしクレーマーは「謝っても許されるわけではない」、「お金を払っているのだから、完璧なサービスを受ける権利があるのは当然だ」としてクレームを入れてしまいます。
周りの人がクレームを入れるほどではないと思っていても、その空気が読めずにクレームを入れてしまうのがクレーマーなのです。
7:神経質
少しのミスも許せないクレーマーには、神経質といった側面もあります。
完璧主義で自分自身の能力も高く、「○○は××であるべき」のように強い理想を持ちすぎている人は、その理想から少し外れただけでクレーマーになってしまう恐れがあります。
店員さんが必死に謝っても「こういう場合の謝り方は○○ではなく■■でなければならない」と考えて、さらにクレームを重ねることもあります。
神経質で一つの正解しか認められないのもクレーマーの特徴の一つだといえるでしょう。
8:思い込みが激しい
被害者意識が強いクレーマーは、思い込みが激しいと言い換えることも可能です。
「わざとミスをしたわけではない」と普通の人が思う場面でも「自分を馬鹿にしているからミスをしたに決まっている」や「自分はどうでも良い客だと思われて馬鹿にされているから、わざと適当な接客をしているに決まっている」と思い込んでしまいます。
普段から思い込みが激しい人は、一旦冷静に考える癖をつけないといつの間にかクレーマーになってしまうかもしれません。
9:言葉遣いが荒い
言葉遣いが乱雑で、普通に話しているだけでも周りの人に対して威圧的な態度を取っているように見えてしまう人がいます。
実はクレーマーにはこうしたタイプの人も多いと言われています。
言葉遣いが悪いため、単に普通のことを指摘しているだけなのにクレーマーに見えてしまうのです。
「お釣りが間違っていますよ」と言えば良いところを「お釣りが違うだろ!横領するつもりか!泥棒か!警察を呼べ!」と話してしまうと、問題が拗れてしまうでしょう。
クレーマーにならないためには、自分自身の言葉遣いにも注意して過ごしましょう。
10:他人のミスが許せない
完璧主義の人は自分に対して厳しい目標を持ち、小さなミスをした時でもすぐに善後策を考えてミスを繰り返さないようにする人が多いと言われています。
もちろんそうして自分を成長させることができるような高い向上心を持っていることは、決して悪いことではありません。
しかし、それを他人にも押し付けてしまうとクレーマーになってしまう恐れがあります。
小さなミスでも他人のミスが許せず、ミスをされると自分が馬鹿にされているように感じられる人もクレーマーになってしまいかねないでしょう。
11:アドバイザー気取り
実はクレーマーの中には相手を追い詰めているという意識が全くない人もいます。
そうしたタイプのクレーマーは自分のことを「他の人は言いづらい相手の落ち度をしっかり指摘させてあげて、相手を向上させてあげられる優しい人間」だと認識しています。
普段から友達に対して「あ、太ったね!」などと無神経な一言を言って怒らせてしまうような人は、店員さんにも重箱の隅をつつくようなクレームを入れるクレーマーになってしまう恐れがあります。
クレーマーの行動
先ほど紹介したクレーマーの特徴11個に当てはまっている数が多ければ多いほどクレーマーになってしまう可能性は高いと考えられています。
しかしながら、だからといって全ての特徴に当てはまる人が絶対にクレーマーになるわけではありません。
どんなにクレーマーの素質を持っていたとしても、実際に行動に出ないうちはクレーマーと言われてしまうことはないでしょう。
では、どんな行動を取るとクレーマー扱いされてしまうのでしょうか。
クレーマーだと認定されてしまいがちな行動を7個紹介します。
繰り返し電話をかける
何度もお店に対して要求する電話をかけ続ける人はクレーマーだと思われてしまう恐れがあるでしょう。
もちろん注文や予約のために電話をかけるのであれば問題ありませんが、「一週間後に納品する」と言われているのに「今日は入荷した?」や「一日でも早く入荷できない?」のように何度も同じ要望を繰り返してしまうと、クレーマー扱いされる恐れがあります。
一度聞いたことを何度も繰り返して聞かないようにしましょう。
長時間同じ話を繰り返す
一度しか電話をしないからといってクレーマーにならないわけではありません。
一度の電話で数時間同じ話を繰り返してしまうと、クレーマーになってしまうかもしれません。
どうしてもお店側の落ち度で嫌な思いをしてクレームを入れる場合でも、端的に用件を伝えるようにしましょう。
「○○が嫌だった。○○で嫌な気持ちになった。○○をするなんてどういう教育をしているんだ。どうして○○をしたんだ」のように、同じ話ばかりを繰り返してはお店の迷惑になってしまいます。
伝えたいことがある場合も、端的に話して電話は短時間で終わらせましょう。
罵声を浴びせる
残念ながら、時には店員さんの態度が本当に悪くてクレームを入れざるを得ない状況もあります。
しかし、その時にどんなに腹が立っても罵声を浴びせてはいけません。
「○○という対応をされたが不快だった」と伝えるだけであれば正当な意見になりますが、そこで「○○はどういうつもりだ!気分が悪い!最低の店だ!」と伝えてしまうと、クレーマーになってしまいます。
たとえ相手に落ち度がある場合でも、罵声を浴びせるのはやめましょう。
暴力を振るう
電話だけではなく店頭で苦情を入れる時もあるでしょう。
その時も、明らかにお店側に非がある時でも罵声や暴力は避けなければなりません。
どんなに正当な指摘をしていても、暴力を振るった時点でクレーマーになってしまうのは避けられません。
店員さんに対して直接的に暴力を振るうのはもちろん、カウンターを叩いたり段ボールを蹴ったりして威圧する行為も暴力と同等に思われるので絶対にいけません。
過剰な要求をする
たとえば購入した商品を店員さんが入れ忘れた時など、店員さんが明らかにミスをしている場合に指摘したら、後日サンプルなどをお詫びとして一緒にもらえることもあります。
しかし、一度そういう経験をしたからといって味を占めて過剰な要求をしてはいけません。
そうした対応はあくまでお店側の厚意であり、当然のことではないと覚えておかないとクレーマーになってしまう恐れがあります。
金銭的要求
クレーマーが最も要求しがちなのが、金銭的な要求です。
「店側のミスのせいで損をしたのだから、半額にしろ」や、場合によっては「無料にして、さらにオマケをつけろ」のような要求をする人がいます。
そうしたことを要求してしまうと、どんなにお店のミスがあったとしてもクレーマーになってしまうでしょう。
過去に「ご迷惑をおかけしたので、今回はお代は結構です」と言われた経験があっても、それはレアケースとして忘れて毎回きちんと代金を支払うのは当然のことです。
特別待遇
金銭的な要求をしない人でも、特別待遇を要求することもあります。
「お店のミスのせいで損をしたのだから、家まで持ってきて」や「今後も利用してあげるから、お詫びとして毎回店長がしっかり接客をしなさい」のように、通常ではあり得ない特別待遇を要求してしまうとクレーマーとして扱われてしまうでしょう。
こういった待遇も金銭的な要求と一緒で、お店側から申し出てくれた時にありがたく受けるのは構いませんが、強要したり申し出るように圧力をかけるのは好ましくありません。
土下座の強要
クレーマーの中には、店員さんに土下座をすることを強要する人もいます。
さらに、その写真を撮影して自身のSNSにアップすることで自己顕示欲を満たすタイプのクレーマーもいます。
しかし、当然ながら土下座を強要するに足るだけの正当な理由はどこにも存在していませんし、冗談であっても土下座を要求した時点でクレーマー認定されても文句は言えないでしょう。
次々に要求を変える
過剰な要求をするだけではなく、要求を次々に変えて相手が困る様子を見て楽しむのもクレーマーにありがちな行動です。
たとえば商品をお店側が入れ忘れた時に家まで持ってくることを強要し、持ってきた段階で「お詫びの品もないなんて、謝罪の気持ちが感じられないからしっかり持ってくるように」などと言うのは明らかにクレーマーでしょう。
どうしてもお店側に伝えたいお店の落ち度があっても、コロコロと内容を変えて困らせないようにしなければなりません。
ネットに書き込む
最近はお店の口コミサイトなども多く、利用した時の感想を書き込む人も増えています。
もちろん利用した実際の感想を書き込むのは悪いことではありませんが、事実を誇張して明らかに悪いお店であるかのように嘘を書き連ねたり、あるいは店員さんの個人情報を特定できるような書き込みをするのはマナー違反のクレーマーです。
悪いことがあった場合でも「○○は少し残念でした」のようにクレーマーにならないような書き込み方をしましょう。
クレーマーへの対処法12選
クレーマーは接客業の人の悩みの種となり、クレーマーのせいで退職の道を選んでしまう人もいるほど厄介な存在です。
では、そのような困った存在のクレーマーに対してはどのように対応するのが良いのでしょうか。
ここではクレーマーに対する対処法として好ましい方法を12個紹介していきます。
自分はもちろん、同僚がクレーマーに悩まされている人も参考にしてみてください。
1:複数人で対応する
クレーマーに対しては一人で対応してはいけません。
自分のミスでクレーマーに絡まれてしまった場合は自分一人でなんとかしようとしてしまいがちですが、一人だとクレーマーの勢いに押されてしまったり、クレーマーに甘く見られてしまい立場が悪くなってしまう恐れがあります。
クレーマーには複数人で対応し、人選もできる限り店長や副店長など役職が上の人を含めて対応するようにしましょう。
2:毅然とした態度で接する
激高している相手に対しては、どうしても謝りたくなってしまうものです。
しかしながら、ずっと謝っていてはクレーマーが味を占めてしまう恐れがありますし、どんどん要求がエスカレートしてしまう恐れがあります。
謝るべきところは当然謝らなければなりませんが、そうではない場面では毅然とした態度で相手に接するようにしましょう。
クレーマーの要求を全て受け入れるのではなく、クレーマーが何を望んでいるのか、どういう不満を持っているのかを見極めるのが大切です。
3:名前と連絡先を聞く
クレーマーの中には「店員は名前が分かっているが、自分はどこの誰かも分からないからやりすぎても逃げれば良い」と思っている人もいます。
そうならないように、クレームを受けたら必ず名前と連絡先を聞きましょう。
ストレートに聞くのではなく「責任者からご連絡させていただきたいので、失礼ですがお名前とご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか」と聞くことで、相手を不快にさせるリスクを減らすことができます。
これにより「自分は匿名だから大丈夫」だと思っているクレーマーを退散させることもできるでしょう。
4:事実とクレーム内容を確認する
話しているうちに興奮してきて、クレーム内容ではなく「私は悲しかった」や「俺はこれが嫌だった」と感情面ばかりを訴えてしまうクレーマーもいるでしょう。
そういうタイプのクレーマーに対して、同じように感情的になってしまっては相手をますます興奮させてしまう恐れがあります。
相手が興奮してきている時こそ、冷静に事実とクレーム内容を把握することに努めましょう。
5:落ち度の内容に合った謝罪をする
相手が罵声を浴びせてきたり暴力を振るってくるクレーマーの場合でも、実は言っている内容自体は正しい場合もあります。
もちろん暴力からは逃げることが重要ですが、お店側に落ち度がある場合にはしっかりその内容は謝罪しましょう。
謝罪することによって、相手の気が済んでクレームが終わる場合もあります。
クレームを受けたからといって全てクレーマー扱いして相手をシャットダウンするのではなく、言っている内容に正当性があれば謝るのは大切なことです。
過剰な謝罪は不要
ただし、相手のクレーム内容が正しくても要求される謝罪内容が過剰な場合は受け入れる必要はありません。
たとえば購入した商品の箱が破損していた場合、商品を交換するまでは正しい対応ですが、それ以上に「無料にしろ」や「その日の買い物全て、タダにしろ」のような要求を聞き入れる必要はありません。
仮にお店側の落ち度でクレームを生んだ場合でも、不要な謝罪や過剰な対応をする必要はないのです。
6:無理な要求ははっきり断る
クレーマーは謝罪をしているとどんどん要求がエスカレートしていく場合があります。
それでも落ち度の内容に合った謝罪が終わった後は、全てを受け入れる必要はありません。
毅然とした態度で、無理な要求ははっきり断るようにしましょう。
はっきりとした返答をしないことによって、クレーマーをますますイライラさせてしまう恐れもあります。
無理な場合は無理と断り、お店側のスタンスを明確に示しましょう。
7:対応する時間を区切る
クレーマーの話をしっかり聞くことは大切ですが、だからといってずっと聞いていては一日の業務が終わってしまう恐れもあります。
クレーマーには時間を区切って対応しましょう。
店頭で対応された場合、既定の時間を超えたらバックヤードに誘導するなどの時間を意識した対応が必要です。
対応する時間を区切ることで、クレーマーと接している本人のメンタル面も少し楽になるでしょう。
一人にストレスが集中しないようにスタッフ全員で気遣うことが大切です。
8:文書で通知する
クレーマーと口頭でやり取りしていると「言った/言わない」の争いになってしまう恐れがあります。
クレーマーに「無料にすると言ったのに騙された!最悪な店だ!」と言いがかりをつける隙を見せないように、やり取りは文書に残してお互いに共有しましょう。
メールでやり取りをしたり、相手の許可を得て録音するなどの方法も有効です。
とにかくクレーマーには隙を見せずに対応することが重要です。
9:あらかじめ対応策を決めておく
お店によっては、一人だけ毎日クレームを入れてくるクレーマーがいるなど特定のクレーマーに悩まされている場合もあります。
特定の人物がクレーマーとなっている場合は、あらかじめ対応策を決めておくようにしましょう。
「店長がいる時は店長をすぐに呼ぶ、いない場合は副店長、万が一二人とも不在の場合は○○さんか■■さん」のように対応にあたる人の優先順位を決めておくのもおすすめです。
特にクレーマーは新入社員や若いアルバイトなど、対応が分からない人をターゲットにする恐れがあるので、そうした人たちでも分かりやすいような対応策を決めておきましょう。
10:法律上の義務を把握する
クレーマーに対して毅然とした態度で対応するためには、事前に法律上の義務を把握しておくのも重要です。
たとえばお店側の過失で商品が破損した場合、確かにその商品に関しては交換する義務がありますが、他の商品を無料にする義務などはありません。
また、どんなに強要されても土下座に対しては強要した時点でクレーマーの罪になります。
このように法律上の義務を把握しておくことで、クレーマーの無茶苦茶な要求に対する反論材料とすることも可能です。
11:弁護士・警察に相談する
いくら法律上の義務を把握しようと思っても、素人では限界がある場合もあります。
クレーマーによっては、生半可な付け焼刃で対応しようとすると、専門的な知識を持っていてさらに激高してしまう恐れもあるでしょう。
その場合は弁護士や警察に相談するのも一つの手段となります。
誰かが対応している時、状況によっては警察に通報して事態を収めることも検討してみてください。
12:刑事事件・民事事件として訴える
クレーマーによっては暴力を振るってきたり、お店のものを壊してくるクレーマーもいます。
また、コールセンターなどに長時間電話をかけ続けることで業務を妨害してくるクレーマーもいるでしょう。
実はこうしたクレーマーは、器物損壊や業務妨害といった罪に該当するケースもあります。
どんなに誠実に対応してもクレーマーが粘着してくる場合は、刑事事件や民事事件としての告訴を視野に入れても良いかもしれません。
クレーマーになる背景
どんなに悪質なクレーマーでも、生まれた瞬間からクレーマーだったわけではありません。
また、クレーマーの中には「いつも優しくて、あの人がクレームを言うなんて考えられない」と言われる人もいます。
では、そうした人たちはなぜクレーマーになってしまうのでしょうか。
クレーマーになってしまう背景を5つ紹介していきます。
損得勘定が強い
損得勘定が強すぎる人が、自分が損しないことだけを考えてしまい自己中心的になってしまってクレーマーになることがあります。
「他の人よりオマケの量が少なかったように見えた」や「強引に言えばオマケの量が増えるから、言わない方が損をする」のように考えてクレーマーになってしまう人がいるでしょう。
普段から損得勘定ばかりを考えてしまうと、お店側に対しても要求が激しく無料にすることや特別待遇をすることを要求するクレーマーになってしまいかねません。
寂しい
実は寂しいからという理由でクレーマーになってしまう人もいます。
仕事もプライベートも友達がいなく、家族とも昔からの友達とも疎遠だと誰とも話すことがありません。
そんな時に店員さんと話せるのが嬉しくて、クレームを入れることで相手との関わりを持とうとするのです。
特に高齢の人に多く、寂しくてクレームを入れるだけではなく「自分は若い人のために心を鬼にしてアドバイスをしてあげている」と自分を正当化している場合もあります。
ストレスを抱えている
店員さんとお客さんは本来は対等な立場ですが、サービスを受けているうちに徐々にお客さんの方が偉くて神様のような存在だと誤解してしまう人もいます。
そうした人がストレスを抱えると、ストレスを発散するためにサンドバッグのように店員さんに対してクレーマーになる場合があります。
こういう人はストレスが解消されるまでクレーマーであり続けるため、事件に発展してしまうこともあります。
自分を認めてほしい
自己顕示欲が強いものの、誰にも認められずに孤独な生活を送っている人は「自分を誰かに認めてほしい」という欲求をこじらせてクレーマーになる場合もあります。
クレーマーになり誰かに指導しているかのような立場にいることで、誰からも認められない自分という不満を解消しようとするのです。
実際はクレーマーは注目されていても尊敬されているわけではなく、それどころか反対に周りの人の迷惑にもなっているだけなのに「全員が自分に注目して憧れている」と誤解してクレーマーであり続けるのです。
病気・障害の可能性も
クレーマーの中には、自分で自分の感情や行動を制御することが苦手な病気が障害を抱えている人もいます。
こういった人の場合、要求がコロコロと変わったり今日は納得したことでも明日急に「やっぱりお店の対応がおかしいと思う」のように意見が変わることもあります。
病気や障害が理由でクレーマーになっている場合、お店側がどんなに誠意をもって対応しても残念ながら解決することは難しいかもしれません。
早めに警察や弁護士に相談し、クレーマーの身近な人に対応してもらうしかないでしょう。
クレーマーに対するNG行動
クレーマーは正しい対応をすれば、お互いに気持ち良く問題解決できる場合もあります。
しかし一方で、対応を間違ってしまうとさらに悪質なクレーマーになってしまう恐れもあります。
では、クレーマーに対するNG行動とはどういった行動なのでしょうか。
絶対に避けたい行動を5つ紹介していきます。
一人で解決しようとする
クレーマーに対しては一人で対応してはいけません。
メンタル的にも一人で対応するのは辛いですし、相手も一対一だとお客さんである自分の方が立場が強いと誤解してしまう恐れがあります。
クレーマーには必ず複数人で対応するようにしましょう。
その場合も、自分より上の立場の人など役職付きの人と一緒に対応するのがおすすめです。
自分が店舗で一番上の立場の場合は、自分の次の役職付きなどクレーマーの対応に慣れている人と一緒に対応しましょう。
すぐ解決しようとする
クレーマーへの応対は疲れてしまうので、すぐに解決したくなるでしょう。
しかし、解決を焦ってしまうと、その態度がクレーマーにも伝わり「適当に相手をされている」と思われてしまう恐れがあります。
そうなると新たなクレームの火種になってしまうので、クレーマーが発生した場合でもすぐに解決しようとせず、相手の本来の要求をしっかり見極めるように対応するのがおすすめです。
相手の間違いを指摘する
何度もクレーマーとやり取りをしていると、クレーマーの記憶違いが出てきたり相手がめちゃくちゃなことを言ってくる場合もあるでしょう。
しかし、それをストレートに指摘してしまうと、クレーマーは自分のミスを責められたと感じて感情的になってしまう恐れがあります。
クレーマーが間違っている場合も即座にミスを指摘せず、指摘する場合でも一度クレーマーに言いたいことを全て言わせてから対応していきましょう。
電話のたらい回し
クレーマーの要求が分からないうちは、どの部署が対応するのが最も適しているのか分からずに電話をたらい回しにしてしまうこともあります。
しかし、何度も待たされると普段は平気な人でも次第にイライラしてきてクレーマーになってしまうこともあります。
ましてや、最初からクレームを入れているのにたらい回しにしてしまうと、相手の怒りに火を注いでしまいかねません。
担当部署が分からない場合は一度電話を切ってから折り返すなど、相手を長時間待たせたり、相手に何度も同じ説明をさせないようにしましょう。
個人情報を教える
クレーマーの中にはストーカーのように店員さんに対する個人攻撃をしたがる人もいます。
そのため個人情報を教えないようにしましょう。
クレーマーの性格によっては、自宅に侵入してきて危害を加えようとする恐れもあります。
クレームの途中で「名前を言え!」や「どこに住んでるんだ!」と言われると勢いに押されて答えてしまいそうになりますが、絶対に答えないように気をつけて対応しましょう。
正しい対応でクレーマーを上手にかわそう
なかには正当なクレームをくれるお客さんもいますが、クレーマーと呼ばれる人たちの大半は言いがかりで店員さんを追い詰める存在です。
そういったクレーマーには正しく毅然と対応して、上手にかわしていきましょう。