「今が人生のピークだ」のような表現を聞いたことはないでしょうか。
小説や漫画などで登場することも多く、そういったフィクションの中ではそうした言葉を発した後でピンチに陥ってしまうケースがよく見られます。
フィクションの世界だけではなく、平安時代に藤原道長が「この世は満月のようだ」と言った後で、満月が徐々に欠けていくように没落していったというエピソードを聞いたことがあるという人もいるでしょう。
そのように失敗したエピソードを知っていると、この世にはピークなんてものは想像しないと言いたくなってしまうかもしれません。
しかしながら、実際にピークは存在しています。
仕事と恋愛の二つに分け、どのような時に人はピークを感じるのか紹介していきます。
さらにピークを迎えた後も没落しないために知っておきたいポイントも紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
ピークの意味
そもそも「ピーク」という言葉は「最高の時」という意味だけで使われるわけではありません。
ピークにはそれ以外にも色々な意味が含まれています。
英語では「peak」と「peek」という二つのスペルがありますが、ここでは「peak」と表記する方のピークが持つ二つの意味について解説していきます。
物事の最高の場面や時期
一般的に使われる「ピーク」という言葉の意味としては、こちらの「物事の最高の場面が時期」という意味の方が多いのではないでしょうか。
「クライマックス」という言葉で使われることもあり「今が最高」や「今が一番良い時期」という意味で使われます。
たとえば冒頭では「今が人生のピークだ」という例文を紹介しましたが、それも「今が人生の中で一番楽しい時期だ」という意味になります。
すなわち、このピークを過ぎることで徐々に状態が悪くなっていくのが一般的です。
「幸せのピーク」という表現をすると、「この後は徐々に不幸になっていく」という意味になってしまう恐れがあります。
誰かの結婚式などで「今が幸せのピークですね」というように使ってしまうと「これからは幸せが期待できませんね」という意味になってしまいかねないので注意しましょう。
山の頂上
そもそも「ピーク」に「物事の最高の場面や時期」という意味が生まれたのは、こちらの二つ目の意味があることが元になっていると言われています。
元々「ピーク」には「山の頂上」という意味があり「ピークを目指す」という使い方は「山の頂上を目指して登山する」という意味になります。
山を想像してみると分かるかと思いますが、山の頂上に到達するとそこからは下山するしかありません。
そのため「ピーク」という言葉に「物事の最高の場面(そして、これから少しずつ下がっていく」という意味が生まれたのです。
「ピーク」という言葉の意味を正しく理解するためには、こちらの元の意味をイメージとして理解した方が分かりやすくなるでしょう。
ピークな時16選
これからは徐々に下がっていくことが予想されるとはいえ、ピークというのは語源の通り最も良い状況ですから非常に幸せな状態だと言えるでしょう。
下がっていくことがあっても、最高に幸せな状況ですので「一度くらいはピークを味わってみたい」と考える人が多いのも当然のことです。
では、どのような時に人は「今が人生のピークだ!」と考えるのでしょうか。
ここでは、仕事編と恋愛編の二つに分けてピークを感じる人が多い時期を16個紹介していきます。
仕事編
まずは仕事編として、仕事においてピークを感じやすい瞬間を7つ紹介していきます。
どのような時にピークを感じるのか、どうしてそういう状況でピークを感じる人が多いのかの理由と一緒に紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
1:昇給昇格した時
今までの努力が認められて昇給した時や、あるいは昇格した時はピークを感じる人が多いでしょう。
昇給の場合も、単に「二年目になったから」という理由で同期と一緒に一律で昇給するのではなく、特別に努力が認められて自分だけが同期よりも昇給する場合の方がピークを感じる人が多いようです。
実際は昇給すると同期に妬まれたり翌年以降の住民税が高くなったり、あるいは昇格すると責任が重くなって今までよりも残業が多くなってしまったりすることがあるので良いことだけではありません。
だからこそ、「昇給する」や「昇格の話が出ている」と言われた瞬間こそがピークだと感じる人が多いのです。
2:新事業を任された時
昇格によって役職自体が変わる場合にピークを感じる人もいますが、実際はなかなか昇格の機会は巡ってきません。
そのため、稀な昇格よりも自分自身が新規事業を任された時の方がピークを実感できるという人が多いでしょう。
部署自体で新しい事業に取り組むことになり責任者に任命された時や、部署を超えた新しいチームを作るメンバーに抜擢されたりすると仕事の今までの努力が認められてピークを迎えていると感じる人が多いようです。
任命された時点では新しい事業に関する苦労などを知る由もないため「期待された」ということだけを実感できる任された瞬間こそがピークとなりえるのです。
3:目標達成できた時
特に営業職に従事している人は実感できるかもしれませんが、やはり目標達成できてノルマがなくなった瞬間にピークを感じるという人も多いと言われています。
今までのコツコツとした努力が報われて「とりあえず今期は少し落ち着いて仕事ができる」と思うからこそ、目標達成の瞬間がピークになる人が多いのです。
実際は、目標を達成してもそれで終わりではありません。
むしろ目標を達成したからこそ、次の目標が厳しくなってしまい仕事が忙しくなることもあるでしょう。
あるいは、目標を達成した場合でも同じチームの人のフォローのために新たな仕事が増えてしまうこともあります。
自分の売上目標を達成していても、未達になりそうな人の補填として営業活動を継続しなければならないこともあります。
そのように目標達成は次の新たな苦労とセットになるからこそ、ピークは目標を達成した瞬間になるのです。
4:難しいプロジェクトを完遂した時
目標達成のように数字で明確に分かるものではなくても、難しいプロジェクトを完遂できた時もピークだと感じる人は多くなるでしょう。
難しいプロジェクトでてこずったものであればあるほど、達成感も大きくなるのです。
プロジェクトの完遂が決定的となり、プロジェクトメンバーと飲み会の会場を探して色々なお店を調べたり、あるいは実際に飲み会で乾杯をしたりする局地的な瞬間こそがピークだと感じる人も少なくはありません。
ただしプロジェクトの完遂も、営業における目標達成と同じように次の苦労とセットになりがちです。
新しいプロジェクトが始まって新しい苦労が始まることもあれば、もしくは誰かに引継ぎする必要が出てきたものの引継ぎ予定の後任の人と相性が悪くて人間関係上の苦労を背負いこんでしまう場合もあります。
そういった苦労が大きくなると「完遂した瞬間の飲み会は楽しかった」という気持ちになってしまうのです。
5:業績アップに貢献した時
営業職や販売職のように自分自身の目標数字を持っていて、それを達成できたかどうかによって会社の業績アップに貢献できたかどうかすぐに分かるという人もいるでしょう。
しかし、そのようにダイレクトに分かる人ばかりではありません。