「特段」という言葉は主にビジネスで使うフォーマルな言葉であるものの、深い意味まで追求することは少ないと思います。
この記事では、特段の使い方やビジネスで使える丁寧な言い方を含めて紹介します。
今後の社会人生活にお役立てください。
特段の意味
「特段」とは「特別」「格段」という意味です。
「他のものとはっきりと区別したいとき」や「他のものとはっきりと区別することがある様」といった意味で使われます。
良い意味でも、悪い意味でも、他との差を表現したいときに用いられます。
「特段の」「特段」と文章のトップに用いてその様を表すことが多いです。
他のものと比べたい時、伝えたいことを誇張したいときに便利です。
同じようなものがたくさんある中で、取り立てて目立つときにも用います。
友人とのやり取りで使われるよりも、格式ばったビジネスシーン、それも書類上でのやり取りで使われることが多いです。
他のものと程度や状態に区別があるもの
「特段」は他のものと程度や状態に区別があるものに使われます。
表現したいものの状態が良いとき、悪いときのいずれにも用いることができ、その物事が他のものと差が大きいことが分かります。
「今まで食べたことのあるトマトの中で、特段に新鮮で美味しいです。」
「今日は特段に忙しく、疲れました。ぐっすり眠ることができそうです。」
「今日は特段やることがありません。あまりにも暇なので、早退しました。」
といった日常会話を交わすこともあるでしょう。
もちろん、一方的に伝えることも増えます。
どれくらいの差があるのかを数字や状態で伝えると時間がかかるとき、とりあえず一言で伝えたいときにすごく便利です。
上司や取引先といった自分より目上の人に対して、ビジネスシーンで用いられることが多いです。
日常会話で使われることはほとんどありませんが、時間に追われるやり取りの中ではありがたい言葉のアイテムと言えます。
時々使うことで、自分自身の知的な一面をさりげなくアピールできます。
特には
「特段」は特にはという意味でも使われます。
特別ではないことを伝えたいときに、「特には」「これといった」「とりわけ」といった言葉と同じ意味合いで使われます。
「特段、本日の会議で新しい進展は見られませんでした。」
「特段、これといって進捗状況に変わりはありません。」
「特段、トラブルもなく一週間の業務を遂行しました。」
上記のように、現在リアルタイムで進められている物の進捗状況が変わりないことを伝えるときにとても便利です。
聞いている側も意味が理解しやすく、ビジネスメールでも多用されます。
引き続き自分が担当する業務に関しては、「引き続きトラブルがないよう観察し、新しい進展が起こり次第ご連絡します。」と一言添えると印象がグンと良くなります。
相手のハートをぐっと掴むための方法の1つとして駆使し、世渡り上手を目指しましょう。
主に書き言葉として使用
「特段」は主に書き言葉として使用されることが多いです。
特段という言葉は日常生活では堅苦しく聞こえるので使われることが少なく、上司や取引先、先輩、先生といった目上の人に対して時々使う程度です。
それよりも、取引先とのやり取りのメール、上司と交わす文書、目上の人に送る文書など形式ばった文書のやり取りで使われることが多いです。
オンラインでのやり取りが可能な業種においては、今後もオンラインでのやり取りや文書でのやり取りがほとんどになっていきます。
特段の書き言葉として使用するときの文例を把握しておくと、とても便利です。
今後もビジネスシーンで「特段」といったフォーマルな書き言葉を使うことが多い方は、知っておいて損はないです。
今でも世代によっては、その場に応じた敬語の使い方ができているかを気にする人たちもいます。
しかし、それよりもスピーディな対応が一番です。
緩い言葉で伝えるよりもストレートに意図を伝えることができ、相手にも信頼してもらいやすくなります。
特段の類語
「特段」と良く意味の似ている言葉を紹介します。
私たちが使う「特段」以外の言葉、実は良く似ているので、まったく同じ意味合いの文章で表現を変えたいときや、送り手によって文面を変えたいときに便利です。
同じ文章でも、時々違う言葉を使うことで凹凸を設けることができます。
長文で相手に何かを伝えたいとき、同じ意味でも異なる言葉を用いることで、それぞれ伝えたいことの重要度にも変化をもたらすことができます。
特段と良く似ている言葉を知り、ビジネスシーンの文書を送る際にお役立てください。
特別
「特別」は特段の類義語です。
「特別」は他のものとはっきりと違い、異なっていること。
物事の状態や度合、進捗状況などが他のものより際立っていること。
1つの物事の状態が他のものよりもずば抜けていること。
といった意味があります。
それほど、思ったほどという意味でも使われます。
良い意味でも、悪い意味でも「特別」は使うことができます。
良い意味だと、「今日は特別幸せなことがあった。」悪い意味だと、「特別に優遇するほどのお相手ではありません。」という風に使います。
誰かからの依頼で、「特別」という言葉を用いるシーンも多くあります。
「特別に、今回だけ優遇してもらうことはできないでしょうか。」
「特別に、予防接種を受けることができますか。」
「特別に、納期を延長していただけないでしょうか。」
よくあるのは、今回だけ特別に優遇してもらうことはできないでしょうか?という旨の依頼です。
上記のような依頼をしてくる相手方には特段の事情があることが多いため、バッサリと断らずに検討することで人間関係を円満にすることができます。
「特別」という言葉を時折使うことで、文章の凹凸を作り上げることができます。
さらに、自分の発したコメントの中で最も重要なところをアピールできます。
特別という言葉を使うだけで、自分の発するコメントに強弱をつけやすくすることができます。
多少面倒でも、色々な言葉を用いるようにしましょう。
別段
「別段」は特段の類義語です。
「別段」はあえて伝えるほどではない。
他とは違っていること。
いつも変わるもの。
といった意味があります。
「別段」を文頭に置き、1つの物事を打ち消したいときに使うことが多いです。
「別段すぐに欲しい物がないので、誕生日プレゼントは何でも良いよ。」
「ここの会社の製品は素晴らしいとは思わないが、別段使いにくいわけではない。」
「喧嘩になった理由に関しては、別段女性にだけ問題があったわけではない。」
といった風に用います。
他とは違っているという意味で、「誰かから指示がなくても、お得意様には別段のサービスをしたほうが良い」という使い方もします。
知っておいて損はないので、様々なビジネスシーンで用いてください。
聞いている側を安心させるだけではなく、自分自身の伝えたい言葉もわかりやすく明瞭にまとめることができます。
格別
「格別」は別段の類義語です。
「格別」はほかのものとは格が違い、特別なさまを意味します。
名詞として、ほかのものとは違う特別な存在、さらに副詞として、物事がほかのものとは大きく異なる、たいしてという意味で使われます。
肯定的な意味でも、否定的な意味でも使うことができます。
「格別、今日は変わった出来事はありませんでした。」
「奢って貰って味わうビールやおつまみは格別に美味しいです。お金を気にしなくてもいいのがすごく気持ちがいいです。」
といった風に使います。
格別は会話文でも文書でもよく用いられ、会話文だと名詞の機能を果たすことが多いです。
「今日の食事は格別に美味しいです」といった風に相手に感想を伝えるときに便利です。
ビジネスシーンでは副詞の使い方をすることが多いです。
「平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。」
「今後も格別のお引き立てのほど、よろしくお願い致します。」
いずれも取引先との口頭でのやり取り、文書でのやり取りのいずれにも使えます。
様々なビジネスシーンで用い、会話力をあげていきましょう。
様々な手紙の様式集、文例一覧、ビジネス文書マニュアルでも取り上げられることの多い言葉です。
色々な表現方法を知っておくことで、自分の書くスキルもアップします。
とりわけ
「とりわけ」は特段の類義語です。
同じようなグループの中で、その状態が際立ってはなはだしい様子を意味します。
同じような日々の中でも、特にと強調したい時に用います。
会話、文書のいずれでも用いることがあります。
どちらかというとフォーマルな言葉なので、会話ではビジネスシーンで用いることがほとんどです。
普段の会話だと、とりわけよりも「特に」を使うことが多いです。
使い方の一例としては、
「今日はとりわけ忙しく、お客様の対応に追われました。」
「私は和菓子が好きです。とりわけ、どら焼きが好きです。」
「朝夕と日中の温度差が激しくなり、とりわけ今日の朝は冷え込みました。」
といった使い方が挙げられます。
同じ表現の中でも抑揚をつけることができ、強調したいポイントが分かりやすくなります。
ここだけは相手にきちんと伝えたいと考えたときに、「とりわけ」を使うことで強調したい部分がストレートに伝わります。
これといった
「これといった」は特段の類義語です。
特にたいしたことはない、特に取りたてて問題とするべきでない様子、と物事の状態を否定を意味します。
取りたててオーバーにする必要のないときに用います。
といった、の部分は強調するときに用います。
会話、文書のいずれでも用います。
ビジネスシーンで仕事の進捗状況を説明するときに使うことが多いです。
使い方の一例としては、
「これといった利点があるわけではありませんが、悪い条件ではありません。」
「これといった問題なく、滞りなく会議が終わりました。」
「これといった大きなトラブルなく、出張から戻って参りました。」
といった使い方が挙げられます。
進捗状況や結果報告を行う際に、相手を安心させるために使う要素が大きいです。
相手に話しかける際、プラスアルファで「お時間よろしいでしょうか?」と言った感じで、話したい相手の状況を確認する気持ちを忘れないようにしてください。
もしかしたら、誰かの話を聞くほどの余裕がないかもしれません。
ビジネスにおいては、スピードと同じくらい気遣いも必要です。
それをすることで、信頼関係を構築することができます。
思ったほど
「思ったほど」は特段の類義語です。
自分が予想していたほど、大きくない。
自分が考えていたよりも、良い。
といった感じで、あらかじめ想像していたよりも、良かった、もしくは悪かったのいずれでも使うことができます。
会話、文書のいずれでも用いますが、会話で使用することのほうが多いです。
インターネットで商品を購入し、口コミを掲載するときにもよく用います。
自分の予想と実際の感想を比較するときに便利です。
使い方の一例としては、
「思ったほど悪くなかったので、購入しました。」
「思ったほど面白くなかったので、早々に退席しました。」
「思ったほど美味しくなかったので、リピート買いはしないです。」
といった使い方が挙げられます。
自分の感想をストレートに伝えることができます。
さらに、受け取る側も重みのある意見を聞くことができ、自分自身の考えを見つめなおすきっかけともなります。
聞いた側はショックを受けることが多いですが、真摯な意見を受け止め、今後改善するきっかけとなるはずです。
特段の使い方4選
特段の使い方を4パターン紹介します。
「特段」とは「特別」「格段」という意味があり、ほかのものとは区別したいときに用います。
しかし、実際にどういったシーンで用いるのかピンとこないですよね。
ビジネスシーンで用いると自分の伝えたいことが明瞭に伝わり、相手とのやり取りがスムーズになります。
特段の使い方を知り、今後のやり取りにお役立てください。
敬語と一言に言っても、自分自身と相手では使い方が異なる敬語があります。
特段の使い方を学びつつ、特段の意味を理解していきましょう。
特段の意味は幅広く、使い方をマスターすることで全体も把握できるようになります。
1:感謝の気持ちを伝える使い方
「特段」は感謝の気持ちを伝える使い方をします。
「特段の配慮」という使い方で、取引先や顧客への感謝の気持ちを伝えるときに用います。
お礼状やお詫びの文書を送るときに特に多用します。
「特段の配慮をしていただき、心から感謝しています。」
「特段気にかけてくださり、本当にありがとうございます。」
「特段のお心遣いを賜り、心より御礼申し上げます。」
上記のように、特段という言葉が入るだけで感謝の気持ちに重みが増します。
聞いた側も嬉しい気持ちになり、お互いの信頼関係を構築するきっかけとなります。
特段という言葉を用いた謝礼の定型文をいくつか保存しておくと、便利です。
あわせて、フォーマルな文書を書くときの文頭には「拝啓」、末尾には「敬具」、文頭には時効の挨拶、といったマナーも把握しておくと役立ちます。
2:通常とは異なる特別な状態を意味する使い方
「特段」は通常とは異なり、特別な状態を意味するときにも用います。
通常の状態とは異なる、特段の事情がある場合は異例として認めるといった意味合いです。
特段の事情がない限り、○○して欲しいという依頼の意味合いでも用います。
「特段の事情がない限り、途中退出は認められません。」
「特段の事情がある場合は、あらかじめ上司に相談してください。」
「特段の予定がない限り、明日の打ち合わせには出席していただきたいです。」
上記のように、特段の事情があれば認めます。
もしくは、特段の事情がない限り、認めません。
という風に使います。
ビジネスシーンで多数の人に向けて何かを依頼するとき、特段という言葉があるだけで強みを増します。
上手に使いましょう。
グループをまとめることは大変エネルギーが必要ですが、「特段」という言葉を使うことで、ぐっとまとまりやすくなります。
3:特別取り上げることはない事を意味する使い方
「特段」は特別取り上げることはない、という意味でも用います。
特段~する必要はありません。
と否定にすることで、特別に1つの物や話題を取り上げることはないという意味合いで用います。
数あるものの中から、特定のモノをピックアップする必要はありませんという意味合いでも用います。
ただ否定形で入るよりも、特段という言葉が入ることで柔らかい意味合いになり、聞き手・読み手もスッキリした気持ちで受け取ることができます。
「特段話題にする必要はありませんが、保存しておくほうがいいです。」
「特段すぐに決定しなくてもいいですが、忘れないようにしてください。」
「特段すぐに取り組むことではありませんが、現状を把握しましょう。」
上記のように、特別すぐに行動を起こす必要はないものの、忘れないように念押しのような形で使われます。
聞き手はストレートに断られるほど嫌な気持ちにならず、相手側の理由も受け入れることができます。
4:否定する使い方
「特段」は否定する使い方でも用いることがあります。
「これといった問題はない」「これといった支障はない」という意味合いになります。
「機器のトラブルによる遅延が予想されましたが、特段の支障はありませんでした。」
「天候による延期が心配されましたが、特段の問題はありませんでした。」
「取引先からの価格交渉を予想しておりましたが、特段何もなく契約を継続していただくことができました。」
上記のように、特に気になったものの、問題なかったという形で相手を安心させたいときに多用します。
特段という言葉がアクセントとなり、相手にもきちんと安心感が伝わります。
特段の例文
特段の例文をいくつか紹介します。
特段の意味合い、使い方は把握できたものの、フォーマルな言葉なので使いづらいという人も多いはずです。
そこで、例文を頭に入れておくことで、スムーズに使えるようにしておきましょう。
スマホの例文として、ビジネス文書の定型文として保存しておくと便利です。
その都度どういった意図で使うか悩まなくて済むので、時間も簡略化することができます。
特段の例文を知っておき、すっと使えるようにしましょう。
そうすることで相手に気持ちや意図が伝わりやすくなり、お互いの意思疎通もスムーズになります。
特段のお取り計らいをいただきありがとうございます
タイトルにある「お取り計らい」とは、相手が自分に対して取り計らってくれた気遣いや優しさを意味します。
相手に感謝の気持ちを伝えたいとき、メールや文書でお礼状を送る際の定型文として用いられます。
「特別な配慮や気遣いをしていただき、ありがとうございます。」という意味合いです。
取引先とのやり取り、訪問先から受けた配慮などに対して感謝の気持ちを伝えたいときによく使われます。
「お取り計らい」という言葉そのものは敬語ではありますが、相手によっては敬語ではないと解釈する人も一定数います。
そのため、言い方を変えて臨機応変に対応しましょう。
「特段のお心遣いいただきまして、誠にありがとうございました。」
「特段のお気遣いをいただきました、心より御礼申し上げます。」
「特段の待遇を受けましたこと、感謝しております。」
上記のような定型文をいくつか保存しておき、伝えたい相手によって使い分けると便利です。
受け取る側が気持ちよく解釈できるよう、正しく敬語を使えるようにしましょう。
特段のご配慮をたまわり心より感謝申し上げます
タイトルにある「ご配慮」は、相手への気配り、よく考えて行う心遣いという意味です。
「たまわる(たまわり)」は目上の人から物をいただく、頂戴するといった意味です。
「特別な気配りをしてくださり、ありがとうございます。」という意味合いになります。
取引先からフォローを受けたり、直属の上司から個別で指導や相談をしてもらったりした後、感謝の気持ちを伝えたいときに用います。
会話よりも、文書で多用することがほとんどです。
なお、配慮という言葉そのものが敬語ですので、自分よりも後輩に対して感謝の気持ちを伝えたいときは「特段の配慮」という使い方で問題ありません。
感謝の気持ちを伝える相手を後輩、上司、取引先などでフォルダ分けし、それぞれにふさわしい定型文を用意しておきましょう。
慇懃無礼にならないようにする配慮も大事です。
特段の理由がない限り納期は変更できません
タイトルにある「特段の理由」とは、「特別な事情」「どうしようもないトラブル」といったイレギュラーな例を意味します。
「特別な事情やトラブルがない限り、納期は変更することができません」という意味合いになります。
雇用している人や取引先とのやり取りで、納期の相談をするときに用います。
納期がズレることで仕事にも大きな影響を及ぼすため、特別な事情がない限り、納期の変更はできません。
と依頼することがほとんどです。
相手に伝えるときは、「お忙しいところ恐れ入りますが」と一言断りを入れてからタイトルの文書をお伝えしたほうが無難です。
唐突に頭ごなしに言われると、納期の変更がむずかしいことを承知している取引先や雇用している人たちも気を悪くします。
仕事にも人間関係がつきものです。
バッサリと断らず、お互い気持ちよく仕事を続けていく術を身に付けておきましょう。
何でもストレートに断っていると、立場が逆になり、自分が優遇してほしい立場になったとき、事情を考慮して優遇してもらえなくなります。
特段の注意を心掛けてください
タイトルにある「特段の注意」とは、「特別な注意」「特に気を付ける」という意味です。
「特に気を付けて取り組んでください」「気を付けて欲しいのですが、特にここは気を付けてください。」といった意味合いになります。
まったく初めての人に対する注意喚起の際、たくさんの人が一堂に介する場で全員にルールを説明する際などわりとたくさんのシーンで使います。
こちらも同じく、相手に依頼するときは「誠に恐れ入りますが」と一言ワンクッション入れると聞き手も素直に応じることができます。
頭ごなしに言われるとバカにされたような気分になりますが、丁寧に依頼されることで気持ちよく対応しやすくなります。
注意深く行動することを心掛けますし、トラブルを最小限にとどめようと努力します。
特段の対応は不要です
タイトルにある「特段の対応」とは、「特別扱いの対応」「特に配慮した対応」という意味です。
「特別な対応は不要です。」「特別に配慮した対応は不要です。」といった意味合いになります。
接待を受ける立場であるとき、相手に配慮してあらかじめ一言伝えておくときに用います。
ビジネスでなくても、ゲストとしてお招きを受けたときに用います。
さらに柔らかい言い方にしたいときは、「いつも特段のお気遣いをありがとうございます」と感謝のコメントを一言添えると、相手からの印象も良くなります。
普段から周りのことを見ていて、きちんとお礼の言葉を言える人だと好印象を受けます。
特段の使い方を把握すると共に、その前にどういった文書を添えることで受け取る側が気持ちよく受け取れるかを考えるようにしてください。
今のところ特段問題はありません
タイトルは「今のところ、特に問題はありません」といった意味合いになります。
1つの物事に対して、否定から入る伝え方です。
取引先や顧客とのやり取りよりも、共に仕事をする上司や同僚に進捗状況を伝えるときに用いることがほとんどです。
「特段新しいことも問題も起きておらず、何事もなく過ごしております。」
「特段トラブルもなく、予定通り進んでおります。」
といった伝え方をすることもできます。
これだけだとどういったことの進捗状況かが把握しづらいため、「○○の件ですが、お伝えしてもよろしいでしょうか。」と一言添えると相手も入りやすいです。
もしも時間が許されるのであれば、さらに問題はないながらも、新しい課題や今後の改善点についても相談しておきましょう。
さらに、「今のところ特段問題はありません。」と言い切らず、プラスアルファで「今後も注意深く様子を見ておき、何かあったときは迅速に対応いたします。」と添えるともっと安心します。
言葉を使うのはむずかしいですが、相手の気持ちを考えながら話すようにしてください。
特に文書だと、自分と相手で伝えたい意図が食い違うことがあります。
丁寧すぎるくらいに、言葉遣いには気を付けましょう。
特段変わった様子はありません
タイトルは「特に変わった様子はありません。」といった意味合いになります。
何かしら1つのものを観察していて、新しい担当者に引継ぎをしたいときに用いることが多いです。
もしくは上司から自分の体調や仕事の進捗状況などを聞かれ、現状を伝えておきたいときにも用います。
「特段、進捗状況で報告すべきことはありません。」
「特段、家族の体調に変化はありません。」
「特段、苦手なものはありません。」
といった使い方をすることもできます。
お互いの気持ちを短い言葉ですぐに理解することができるので、とても便利です。
あらかじめ、一言「いつも気にかけてくださり、ありがとうございます。」と感謝の言葉があると、聞き手も嬉しくなります。
じっくりと考えて、伝え方を自分のものにしてください。
特段難しい業務ではないので安心してください
タイトルは「皆さまが想像しているほど、特に難しい業務ではないので安心してください」といった意味合いになります。
新入社員、新しいパート・アルバイト労働者、ゲストとして見学に訪れた人などに対して何かを依頼するときに用いることが多いです。
誰しも初めてのときは緊張と不安な気持ちでいっぱいですが、この一言があるだけでかなり安心することができます。
「単純でわかりやすい業務ですので安心してください」という言い方だと、バカにされたように感じてしまう人もいます。
その点、「特段難しい業務ではないので安心してください」と言ってもらうことで、新しい環境にも飛び込みやすくなります。
さらに、タイトルの言葉を伝える前に、あらかじめ「本日はお忙しいところお越しくださり、誠にありがとうございます。」とお礼のコメントを忘れないようにしましょう。
何事も、スタートは気持ちよく始めたほうが円滑に進みます。
特段珍しい技術ではありませんでした
タイトルは「自分が想像していたほど、特別珍しい技術ではありませんでした。」といった意味合いになります。
新しい商品説明会や展示会に出向き、他社製品や他社技術を見る機会はビジネスマンであればいくらでもあります。
自分が事前に想像していたものと、実際に見たものとの感想が食い違っていた時、それを一言で伝えたいときに主に用います。
その他、同じ職場で働くライバルが開発した技術を見たり、勉強会で聞いた感想を述べたりするシーンでも用います。
プラスアルファで、実際に見た技術に関する意見、さらに専門的なコメントなども述べると聞いている側も具体的で分かりやすいです。
タイトルのコメントのみだとあまりにも分かりづらいため、何らかの感想を付随できるとより良いものになります。
否定のみの感想だとイメージが下がってしまうため、上手にフォローを入れながらの感想をコメントできれば理想的です。
たとえビジネスシーンであっても、一度不信感を持たれるとやりづらくなります。
何らかの感想を述べるときは、まるごと否定しないように配慮しましょう。
上から目線の言い方にならないよう、丁寧に、なおかつあくまでも個人的な意見であることを伝えるようにもしてください。
特段資格は必要ありません
タイトルは「特にこれといった特別な資格は必要ありません」といった意味合いになります。
新しい求人募集を出す時など、必須となる資格があれば書き出します。
特に資格が必要ない場合でも、「特段資格は必要ありません」と書くと分かりやすいです。
「必須資格:なし」「未経験者歓迎」といった言葉も付け加えると、より伝わりやすくなります。
何か新規で人材募集をかけたり、ゲストとして招く人に何かを依頼したり、取引先との間で人材の行き来があったりするときもこういった一言があると安心します。
新しい求人情報を見ていて、特段資格は必要ありませんと掲載されていると誰もが安心し、すぐにでも仕事を探そうとするでしょう。
新しい場所に飛び込む側は分からないことばかりですので、自分にとっては当たり前のことであっても、新しく説明する必要があります。
特段資格が必要ではないことも、丁寧に説明しましょう。
特段の使い方を理解して活用しよう
特段の様々な意味合いや使い方について紹介しました。
特段はビジネスシーンで用いることが多く、口頭での説明、文書やオンラインでのやり取りのいずれにも重宝する言葉です。
特段という言葉を付け加えるだけで、相手に対して重みを付加することができます。
その代わり、相手にマイナスの重みを付加することがないよう、あらかじめ柔らかい言葉でワンクッション置くこともできます。
それぞれの相手に応じた言葉遣いを心がけ、特段という言葉の使い方もマスターしていきましょう。
フォーマルな場所以外でも、使うことでどんどん言葉の意味も把握できるようになっています。
すべての言葉の意味や使い方、敬語を使うべきシーンなども知識として知っておくと便利です。