なおざりとは?正しい使い方と意味について解説します!なかなか使わない言葉って興味深いかもについて
「なおざり」という言葉を知っていますか?普段の生活においてなかなか使われることがない言葉ではありますが、ドラマのセリフや歌詞で聞いたり、小説で見たことがある人もいるかと思います。

今回は、なおざりの意味や類語、さらにはなおざりの正しい使い方と例文について紹介していきます。

なおざりという言葉に少しでも興味がある人は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

なおざりの意味

意味
「なおざり」というと、普段の生活ではなかなか使う機会も少ないのではないでしょうか?もしくは、今まで一度も耳にしたことがないという人もいるかもしれませんね。

ですが、なかなか使わない言葉であるからこそ、興味深い一面もあるでしょう。

ということで、ここからは「なおざりの意味」について解説していきます!

「猶去り」が語源の1つ

なおざりとは、10世紀の平安時代に生まれた言葉で「猶去り」が語源の1つとされています。

まず「猶」は、そのままなにもしない状態という意味があり、「去り」には遠ざかるという意味があります。

要するに、猶去りには「なにもしないまま終わる」という意味があるのです。

そのため、なおざりは「やらなければいけないことを放置する」や「結局なにも手につかないまま終わる」といったニュアンスの言葉となります。

ちなみに、なおざりを漢字で書くと「等閑」になります。

あくまでも、猶去りは語源の1つに過ぎないので、漢字で書く際には間違いのないように気をつけましょう。

注意を払わない

なおざりには「注意を払わない」という意味があります。

たとえば「上司から頼まれていた仕事をなおざりにしてしまった結果、納期に間に合わず大変なことになった」という場合、これは「上司から仕事を頼まれたにもかかわらず、注意を払わずに後回しにしてしまったため、納期を過ぎてしまい大惨事になった」というニュアンスになります。

要するに、自分では意識はせずとも、残念な結果になってしまったときに使われます。

あっさりしていること

なおざりには「あっさりしていること」という意味もあります。

そもそも、なおざりは「やらなければいけないことを放置する」や「結局なにも手につかないまま終わる」といったニュアンスの言葉であるため、ある対象のものに対して真剣に向き合っていないという意味になるのです。

要するに、特に深く考えていないため、あっさりしているという意味で使われたりします。

「なおざり」と「おざなり」の違い

ここまで「なおざり」の意味について解説をしてきましたが、少しでも理解を深めていただければ嬉しいです。

ちなみに、なおざりという言葉によく似た「おざなり」という言葉を知っているでしょうか?一見、文字列を並び替えただけのようにも思えますが、実際に聞いたり、使ったことがある人も多いかと思います。

それでは、ここからは「おざなり」の意味について解説していきます。

「なおざり」と「おざなり」とでは、どのような違いがあるのかチェックしていきましょう!

おざなりの語源は「御座なり」

おざなりとは、19世紀の江戸時代に生まれた言葉で「御座なり」が語源となっています。

当時、座敷で行われる宴会では、参加者の機嫌を取ることを仕事した男性たちが働いていました。

この男性たちは、お金持ちの客が宴会を行った際には一生懸命に働いたのですが、そうでない客の場合はいい加減に働いていたのです。

まさに、客の身分によって態度を変える男性たちを見て、人々は揶揄する意味を込めた「御座敷成り」と呼ぶようになりました。

やがて、このお座敷成りが変形していき、おざなりという言葉が生まれたというわけなのです。

その場限りのいい加減な対応

おざなりには「その場限りのいい加減な対応」という意味があります。

先ほども紹介したように、御座敷成りと呼ばれていた男性たちは客の身分によって態度を変えていた、要するにその場限りのいい加減な対応をしていたということになります。

たとえば「上司から頼まれていた仕事をおざなりにした結果、そのことがバレてしまい大変なことになった」という場合、これは「上司から頼まれた仕事をテキトーにやり過ごしてしまったため、頼まれていた内容と食い違いが生じたあげく、いい加減な対応が上司にバレてしまい大惨事になった」というニュアンスになります。

「なおざり」と「おざなり」の使い分け

ここまで「おざなり」の意味について解説してきました。

「なおざり」と「おざなり」とでは一見、文字列を並び替えただけのようにも感じられますが、それぞれ異なる状況で使われる言葉になります。

ただし「なおざり」と「おざなり」は、どちらも「いい加減であること」や「真剣に向き合わない」といった同じニュアンスが込められているのもたしかです。

となると、使い分けるのが余計に難しく感じられますよね。

それでは、ここからは「なおざり」と「おざなり」の使い分け方について紹介していきます!

何かしらの対応をしているか

「なおざり」と「おざなり」は、どちらも「いい加減」といったニュアンスになりますが、大きく異なる点は「何かしらの対応をしているか」ということです。

まず「なおざり」は、やらなければいけないことを放置するということ。

要するに「いい加減なうえに、なにもしていない」ということになります。

反対に「おざなり」とは、その場限りのいい加減な対応、すなわち「いい加減ではあるけれど、何かしら行動に移している」ということです。

そのため「なおざり」は何もしていない、「おざなり」は何かしらしているという使い分け方ができます。

語源の漢字から連想する

「なおざり」と「おざなり」では一見、文字列を並び替えただけのようにも感じられますが、それはあくまでもひらがな表記であった場合です。

そのため、語源である「猶去り」と「御座なり」と漢字表記することで、意味の違いが分かりやすくなると思います。

猶去りであれば「猶」は、そのままなにもしない状態という意味があり、「去り」には遠ざかるという意味があるため「なにもしないままの状態で終わる」という意味が連想しやすくなるでしょう。

なおざりの類語

ここまで「なおざり」と「おざなり」の使い分け方について紹介してきました。

ひらがなで「なおざり」「おざなり」と表記すると、つい混同してしまいがちですが、語源の漢字で表記することで意味が連想しやすくなります。

また「なおざり」と「おざなり」どちらにも「いい加減」というニュアンスが込められていますが、何もしていないか、もしくは何かしらはしたと意味が大きく異なります。

そのため、実際に使ってみる際は間違えてしまわないように気をつけておきましょう!それでは、ここからは「なおざりの類語」を紹介していきます。

おろそか

おろそかには「いい加減に扱うさま」という意味があります。

また、おろそかの「おろ」には不完全、または不十分という意味があります。

たとえば「私はついテスト勉強をおろそかにしてしまった」という場合「テスト期間中だったにもかかわらず、結局勉強しないまま当日を迎えてしまった」というニュアンスになります。

要するに「おろそか」も「なおざり」と同様に「いい加減なうえに、なにもしていないこと」という使い方をするのです。

ちなみに、漢字では「疎か」と表記しますが、なかなか見慣れなかったり、読めないという人もいるのではないでしょうか?